レンゲツツジに囲まれて、美しい稜線を行く【四阿山】

長野

四阿山(あずまやさん)は、長野県と群馬県にまたがる「日本百名山」の一つです。
周回ルートで通る根子岳は「花の百名山」で、6月にはレンゲツツジが見事です。

四阿山の山頂付近にはお社が二つあり、古くは修験者が参拝していた山です。
山頂からの眺めは素晴らしく、遠くには八ヶ岳やアルプスを望むこともできます。

山頂からの景色も素敵なのですが、根子岳を下る時や、鞍部から見る四阿山の景色がまた美しいです。開けた笹原の向こうにドーンと広がる四阿山が、青空に映えてとても絵になります。

登山道は危険な場所は少ないですが、10km弱歩きますし、累積標高も1,000m弱あるので、体力は必要になります。根子岳からいったん下って再び登りになるので、単純に1,000m続けて登るより疲れると思います。初心者の方でも登れるとは思いますが、体力に自信のない人は体力をつけてからチャレンジしたほうがいいです。

こんな方におススメ!

  • 体力には自信がある
  • いったん下ってからの急登になるので、折れないメンタルを持ってる人
  • 絶景と牛さんの両方に癒されたい人

四阿山【菅平牧場周回ルート】データ

標高2,354m累積標高987m
距離9.6kmタイム05:45
難易度初級体力★★★☆☆(3)
景色の良さ★★★★★(5)おすすめ度★★★★★(5)

※ 難易度は初級(Lv1~3)~中級(Lv4~6)の間で分けています。
※ おススメ度は5段階で、ヤマリが登って楽しいと感じた山ほど星の数が多いです。
※ これらはあくまで、ヤマリの個人的主観に基づいたものです。

登山ルート【菅平牧場周回】

菅平牧場の駐車場に車を停めてのスタート。牧場への入場料は一人200円です。
まずは左手に牧場を眺めつつ、緩やかに登っていきます。
根子岳からはいったん下り、笹原の中を歩いて再び樹林帯に入ります。
そこから山頂手前までは、急な登りになります。いったん下ってからの登りは、体力的にもメンタル的にも削られるので、頑張りましょう。
急登を登り切って、緩やかになったら山頂はもうすぐです。
下りは緩やかに、遠くに山々を見ながらの、見晴らしのよい道を歩きます。

四阿山へのアクセス

車の場合

上信越自動車道 上田菅平IC → 国道144号 → 国道406号 → 菅平牧場

上信越自動車道 上田菅平ICを下りて、国道144号、406号で菅平牧場へ。
406号を逸れて牧場までの道は少し細いですが、それまでの道は走りやすいです。

公共交通機関の場合

JR上田駅 → 上田バス 菅平高原行 ダボス下車(500円、約55分) → 菅平牧場(徒歩約40分)

バスは夏やスキーシーズンだと1時間に1本弱と、まあまあの頻度で出ています。
それ以外のシーズンでも、1日片道8本くらい出ているので、交通の便は悪くないです。
ただ、バス停から牧場の登山口までが、40分ほど歩きます。

菅平高原行バスの詳細はこちら

四阿山登山レポ

菅平牧場の駐車場に降り立った、ヤマリとボーノさん。

駐車場

「天気いいー!ちょっと風あるけど、登山日和だ~」
テンション爆上がりのヤマリを尻目に、ボーノさんはトイレへと。

トイレの横では、牛さんたちがのんびりと朝の空気を楽しんでいる。

「美味しいものくれるの?」

準備万端、レッツ登山!

今回は周回ルートなので、左の道から行って、右の道から帰ってくる予定。
牧場には「つつじ祭り開催中」ののぼりがあちこちにかけられていて、どうやらレンゲツツジが見頃の様子。期せずして、いい時期に来ちゃったものだ。

左に牧場を見ながら

しばらく登っていくと、さっそくレンゲツツジを発見。

咲き誇るレンゲツツジ

綺麗だねー!とはしゃぐヤマリ。
「オレンジ色のツツジって、街じゃあんまり見ないよねー」
「濃いピンクか白しか、ツツジとは認めん」
と、謎の線引きをするボーノさん。

しばらく登ると、開けた場所に到着。
先客の団体さんが休憩してた。

東屋

この先は、木々が生い茂る中へと入っていく。

ここでもレンゲツツジが咲いていた。白樺とレンゲツツジ。なんとなく、お洒落な組み合わせに感じる。
「昔レンゲの蜜吸ったりしたよな~、ヤマリやらないの?」
と、レンゲツツジをちらりと見ながらボーノさん。
「そーいえば、昔は足元に花の山ができるくらい吸ってたなぁ」
と答えただけで、たまたまこの時はやらなかったけど、あとで調べたらレンゲツツジには毒があるらしい…。危うくボーノさんに乗せられて毒見するところだった!あぶないあぶない。

綺麗だけど毒がある

ツツジの中をゆるゆると登っていくが、一カ月のブランクがあったからか、今日のボーノさんは休憩多めだ。ヤマリはいつもの、休憩をそんなにしなくても大丈夫なペースで登っていく。

根子岳目前

この辺りからは、木々がなくなって笹原になった。
「これが限界なんとかってやつかー」とボーノさん。
「森林限界ね~」
とヤマリは答えつつ、でも森林限界って普通は2,500mくらいからじゃなかったっけ?と、首を傾げた。
もしかしたらこの辺りは、気候が厳しいのかもしれない。後で調べたら、北西の風が強いんだそう。

景色がガラッと変わる

振り返れば、気持ちのいい眺望が広がる。
「雲が下にあるぞ」
ボーノさんは雲より上にいるのが楽しいらしく、スマホを取り出して写真を撮っていた。

雲を下に見る
もう一息で根子岳の山頂
空へと続く道

見晴らしがいいとテンションが上がる。森林限界を超えた道を歩くのは、気持ちいい。
まばらな木のてっぺんで鳴いている鳥も、人間をあまり気にしていないようで、近くで見ていても逃げずに自分の縄張りをアピールし続けている。

イワカガミの群生

かわいい鳥や花に励まされて、元気に登るヤマリたち。
振り向けば、雲はさらに近くに迫ってきていた。

振り向けば雲

山頂が見えてきた。結構広い。
到着~!

山頂
祠がある

まずは神様にご挨拶して、それから近くの石に腰を下ろしてしばしの休憩。

「禰固岳」と書かれている模様

既におやつのチュロスを食べつくしていたボーノさんは、今度はシュガーラスクを取り出して美味しそうに食べ始めた。
おやつにポテトチップスを持ってきていたヤマリとは違い、ボーノさんは甘党である。

休憩終わって、行動再開~。
奥には、これから登る四阿山が見える。

ここからは、今までの道とは少し変わって、大きな岩の横を通ったりする。

しばらく岩の横を抜けたり、軽くよじ登ったりしながら抜けていくと、眼下に気持ちのいい景色が飛び込んでくる。

正面に四阿山!

広がる笹原の奥に、ゆったりとした姿を見せる四阿山。美しい~!
しばらく夢中で写真を撮っていたが、横ではボーノさんが「これ、下って登るの!?」と文句を言っている。
文句を言っているが、体力的には余裕なのを知ってるヤマリはスルーした。

横を見れば、緑が美しい
笹原を行くボーノさん
四阿山は山頂まで木が生えている

なだらかに続く笹原の小道。
遠くには歩いているハイカーが小さく見える。
こういう景色の中、トレッキングするのはテンションが上がる。

笹原を抜けて、四阿山に差し掛かると、再びの樹林帯が始まる。
お洒落な白樺の生えていた根子岳より鬱蒼としている。

しかも、急な登りだ。
大きく足を上げないと登れないところなどもあって、息が切れる。
登り始めて、開けた場所に出るまで、ずっとそんな感じの道が続く。

途中で、まだ登山に慣れてない三十代くらいの男性二人が休憩していて、ヤマリたちがその横をスイスイとよじ登って行ったら、下から「すごい…」というつぶやきが聞こえてきた。

「すごいって!」
かつて今までそんなことを言われたことがないヤマリが目を輝かせていると、ボーノさんが軽く首をすくめる。
「あのなぁ、俺たち結構登ってるぞ」
「まあ確かに…」
全く登山してない人からすれば、そう見えるかもしれない。
それにすごいと言われても、自分たちが全然すごくないことも知っている。

「登山といえば、道なき道をかき分けて探し、崖をよじ登っていくのが登山だろ」
ボーノさん的には、山野井さんみたいな人がやってることが登山らしい。
まあ一応、今回も山頂目指して登ってるから、これも登山なわけだけれども。

ようやく緩やかに
ここまでくれば、あとはきつくない

周回ルートだと、ここで分岐する。
分かりづらくはないけど、何となく歩いていると通り過ぎそうな感じの道だった。

木の階段

階段を上って少し歩くと、小さなお社があった。

山家神社の奥宮

お参りして少し歩くと、山頂に着く。
山頂でも、同じように小さなお社があった。

山頂のお社

両方とも、白山から勧請して祀られたものみたい。

そしてこれが四阿山山頂。根子岳に比べれば、山頂はそんなに広くはない。
写真の背後にはお社と、何人か休憩できるスペースはある。

四阿山山頂

ヤマリたちは神社の横でランチタイム。
持ってきたお弁当を頬張りながら、山頂からの景色を楽しむ。
丁度、今まで登ってきた根子岳がよく見えた。

根子岳

お弁当を食べ終わったボーノさんが、双眼鏡を取り出して根子岳や周囲を観察していた。
根子岳からこちらに歩いてくる人が見える~と、楽しそう。

帰りは周回ルートで。

下りは見晴らしがよいポイントが多く、遠くの山や、近くの山の緑を楽しみながら歩くことができる。

ダボス牧場方面へ

空気は涼しいけど、日差しが強くて暑い。少し休憩をはさみつつ。

まだ1.8キロもある!と、ボーノさん
レンゲツツジと遠くにアルプス

この辺りから樹林帯に入ってくる。

帰りの道は大体なだらかで、急な所はそんなにない。

川に出た

夏の川の水は冷たくて気持ちいい。
ボーノさんがさっそく、首にぶら下げていた手ぬぐいを川に浸して、首にかけて涼んでいた。

しばらくすると、牧場に出た。

ゴール近し!元気を取り戻して進んでいくと、車道に出る。

右に進むのか左に進むのか悩んでいたら、よく見たら道路に丁寧に書いてあったw
無事に駐車場に到着。お疲れさん~。

帰る前には、途中にあった売店で、ソフトクリームを購入。

ジャージー牛乳のソフト おいしい

登山後のアイスは罪悪感なく食べられて最高~!

そして帰りは山といえばセットで温泉。みづほ温泉 湯楽里館へ。

みづほ温泉 湯楽里館

循環だったけど、入館料は500円だし、アルカリ性のつるりとした温泉で、温めと普通の温度と分かれていたし、水風呂やサウナもあった。
手足を伸ばしてのんびり入るには、いい温泉でした。

四阿山 菅平牧場周回ルートの感想

牧歌的な景色からスタートし、森林限界を超えて根子岳、下って笹原の向こうに四阿山と、歩いて行くと次々に景色が色々と変わっていき、楽しい山です。
いったん下ってからの、四阿山のきつめの登りはちょっと大変ですが、四阿山へのピストンに比べて景色が良いので、体力があるならば周回ルートをおススメします。

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