直登で大変だけど、関東平野が一望できる信仰の山【大山】

神奈川

大山(おおやま、1,252m)は神奈川にある丹沢山塊の中でも、東に位置する関東百名山の一座です。
大山の中腹には大山寺と大山阿夫利神社があり、山頂には大山阿夫利神社の本社があります。

大山

都心からアクセスしやすく、登るにも手頃な山として、大山は登山客や観光客で年中賑わっています。
大山は「初心者向けの山」と言われていますが…、確かに初心者にも登れる山ではありますが、初心者の方が登る場合は、ある程度の体力が必要になってきます。
とはいえ、関東平野が一望できる大山山頂からの景色は、ミシュラン二つ星の清々しい眺めで、登りがいがあるというものです。

こんな方に特におすすめ!

  • 体力には自信があるので、少しハードめの登山してみたい!という方
  • 累積標高500mくらいの入門的な山では、そろそろ景色的、体力的に物足りなくなってきた人。

大山

標高1,252m累積標高725m
難易度初級体力★★★☆☆(3)
景色の良さ★★★★☆(4)おすすめ度★★★★★(5)

※ 難易度は初級(Lv1~3)~中級(Lv4~6)の間で分けています。
※ おススメ度は5段階で、ヤマリが登って楽しいと感じた山ほど星の数が多いです。
※ これらはあくまで、ヤマリの個人的主観に基づいたものです。

登山ルート

大山はヤビツ峠から登るルートが一番簡単なのですが、それだと大山阿夫利神社下社や大山寺をすっ飛ばしてしまうので、神社やお寺を巡れる、ケーブルカーを使った欲張りコースをご紹介します。

大山第二駐車場orバス停 → 大山ケーブル駅 → 阿夫利神社駅 → 表参道 → 大山 → 見晴らし台コース → 阿夫利神社駅 → 大山ケーブル駅 → 大山第二駐車場

大山へのアクセス方法

車の場合

新東名の伊勢原大山ICができてからというもの、都心からのアクセスがとてもとても便利なりました。
高速を降りて10分もかからずに駐車場に到着できるアクセスの良さ!
ただ、近すぎてルート上にコンビニがありません。(少し逸れたところにセブンがあります)

駐車場は、市営の駐車場は民間の駐車場が少しありますが、一番大きい市営第2駐車場でも、44台しか入りません。その手前の駐車場が広くなっていたので、そこに20台くらい停められそうでしたが、そのあたりに停められないと、だいぶ遠く(市営第1駐車場あたり)に車を停めて、20分ほど多く歩くことになります。

公共交通機関の場合

小田急伊勢原駅 北口バス4番線から「神奈川中央交通バス」
伊10系統「大山ケーブル」伊11系統「大山ケーブル(直行)」で30分ほど、終点まで。
バスは土日は一時間3本くらいと、まあまあの頻度で出ているので、利用しやすいと思います。

大山登山レポ

市営第2駐車場の下に大きなトイレがあるので、まずは諸々準備を済ませましょう。
まずは「こま参道」を通って、ケーブルカー駅まで向かいます。駅まで15分くらいかかります。
こま参道は左右にいろんなお店が並んでいるのですが…その間中ずっと、上り階段の連続です。
踊り場をはさみつつ、382段、標高差90mを上がっていきます。
ウォーミングアップがてら、ゆっくり左右のお店を冷やかしつつ、歩いていくのがいいです。
いきなり階段が続いて心が折れそうになるかもしれませんが、大山は至る所で階段がでてきます。諦めましょう。大山はそんなものです。

15分ほどで、大山ケーブル駅に到着。
横にはケーブルカーを使わない「男坂」「女坂」に続くルートもありますが、今回はケーブルカーを利用します。
ケーブル駅には、数は少ないですがトイレがあります。

大山ケーブル駅

ケーブルカーは、大体20分間隔で出ています。混雑時には臨時便が出るようです。
「阿夫利神社駅」までの切符を買えば、その途中にある「大山寺」には途中下車ができるので、大山寺に立ち寄ってお参りもできます。

ケーブルカーは綺麗です。約6分かけて275mを登っていきます。
運が良ければ、ケーブルカーのすぐ横を鹿が走っていたりします。

最急勾配25度をぐいぐいと登っていく

阿夫利神社駅に到着。
そのまま歩いていくと、神社へ続く階段に出ます。
階段は後方にも続いていて、そちらに少し降りるとトイレがあります。(チップ制)

ぼちぼち階段

階段を登り切って振り返ると、この景色。

相模湾や江の島が

江戸の頃から大人気だった大山阿夫利神社。社殿はとても立派です。

大山阿夫利神社 下社

この社殿と授与所の間に通路があって、その先に「ご神水」を頂けるところがあります。

ご神水

汲めるようになっているので、こちらで水を補給。帰りは帰りでまた立ち寄って、水割り用、コーヒー用に汲んで帰ります。(帰りなのにザックが重くなります…)

社殿の左手に登山口があるので、入山の初穂料100円を払ってお守りをいただき、セルフお祓いをします。

ここから登っていきます

こちらの登拝門、いつも右側だけしか空いてないのですが、夏の山開き大祭(7月27日~8月17日)の間は両開きになるそうです。

門をくぐると待ち構えているのが…。

上が見えない…

ものすごい急な石段です。しかも、一段一段の幅が狭くてそこそこ高い。しかも最後らへんは、石段が少し斜めになってます。
転がったらただでは済まないので、気を付けて上がっていきましょう。

上から見るとこんな感じ

階段を登りきると、そこからは岩のゴツゴツした道になります。
歩いていくと道端に〇丁目という石の標識が出てくるのですが、山頂は28丁目になります。
大山は山頂まで平たんな道が少ないので、体力を温存しながら登っていきましょう。
とはいえ開けた場所もいくつかあるので、その辺りで休憩を取っていけばいいと思います。

しばらく登ると見えてくるのが、夫婦杉。樹齢は600年ほど。

夫婦杉
仲良し杉

登る時にいただく紙の小さなお守りが、この木の根元などに置かれていることが多いのですが、それは結局誰かに片付けてもらうことになるので、こういったところに置かずに持ち帰りましょう。
不要な人は、下社のお賽銭箱の横に古札納所があるので、そちらに納めるのがいいと思います。

まだまだ序盤ですので、頑張って登っていきます。

大体こんな感じの道です

牡丹岩のスポットは、確かに足元の岩を見ると、牡丹のように見えなくもないです。

牡丹岩

なぜか岩の真ん中にぽっかり丸く穴が開いている、天狗の鼻突き岩。

天狗の鼻突き岩

富士見台に到着。
ここから先は傾斜が気持ち緩くなる(ような気がする)ので、気分的にはあとひと踏ん張りという感じです。

富士見台
天気の良い日は富士山が見えます

初めて登った時は、このあたりから足が上がらなくなってきてました。

大山も冬は時々雪化粧することがあって、そんな時に登るとまた楽しさが倍増します。

雪の大山

○○丁目の石標を横目に、28丁目はまだか~まだか~と、疲れてきた自分を励ましながら進んでいくと、やがて鳥居が見えてきます。
鳥居の先が、大山の本社と山頂です。

阿夫利神社本社
トイレのさらに奥から富士山が見えます

ちなみに冬はトイレが凍るので使えません。

これが本社

写真では扉があいてますが、最近は平日は閉まっていることが多いです。悲しい。
本社の左には授与所があり、その左にはお茶屋さんがあって、食べ物を提供しています。

ご神木の雨降木
山頂標識

大山の山頂はまあまあ広くて、山頂標識の周辺や、さらにその奥にベンチやテーブルがあります。が、平日でも埋まっているので、土日は推して知るべしです。

広大な関東平野が一望

トイレの脇から抜けて奥へ行くと、富士山が綺麗に見えるスポットがあります。

丹沢の奥に富士山が!

富士山側は人が少ないので、yamariはこっち側で持ってきたお弁当を食べることが多いです。

帰りは来た道を戻るのでもいいですが、見晴らし台コースを行きます。
こちらは表参道コースよりは緩やかなのですが、しばらくは階段を下りることになるので、足に来ます。下り始めに、相模湾や江の島を見ることができます。

大山では鹿をよく目にします。体感3、4割くらいの確率で会える気がします。

ごはん中の鹿

大山の鹿は人間があまり怖くないみたいで、結構近くまで寄っても逃げません。それより、ごはんを食べることを優先しています。

見晴らし台に到着。
テーブルとベンチがたくさんあるので、休憩にはうってつけのポイントです。

見晴らし台

見晴らし台なので、遠くを見ることはできますが、そこまで景色がいいというわけでもなく。
午後はあまり日が当たらないので、寒い季節の長時間の休憩は冷えてきます。

見晴らし台から神社までは、平たんな道になります。ここからは歩きやすいです。

こんな感じの道が続きます

道の右側に階段があって、その先に大きな木があります。

途中にあるご神木

二重社の横には、滝があります。

二重社
横を流れる滝

写真では水が勢いよく流れていますが、冬場は枯れていることが多いです。

この辺りまでくればゴールは近いです。
最後の最後で少し上り階段になりますが、そこをこえれば下社に到着です。

その後は下社をもう一度散策してもいいし、下社のカフェでコーヒーとケーキを楽しむもよし。
ケーブルカーで大山ケーブル駅まで戻り、こま参道を下れば登山終了です。

大山についてヤマリの所感

  • 冬以外はヤマビルに注意!
  • 低山なので夏場は水を大目に
  • トレッキングポール推奨

登山を始めるきっかけになった山ということで、yamariの大好きなこの山ですが、一つだけ注意が。
気温が高くなると、ヤマビルが出現します。(4月~11月あたり。丹沢はヒルがいることでも有名)
登山道の整備が進んでいるので、そこまで被害にあうことはないかもしれませんが、ゼロとも言い切れないので、心配な方は「ヤマビルファイター」のような忌避剤を靴に吹き付けておくといいです。

大山の標高はそんなに高くないので、夏場は登るのに汗だくになります。夏に登る時は、水を多めに持っていきましょう。私なら念のため、1.5L持っていくと思います。(当然個人差があるので、参考までに)。冬なら1Lあれば十分です。

大山は登りも下りも結構大変なので、トレッキングポールを持っていくといいです。
特に下りで疲れが足に来た時に、サポートしてくれます。
トレッキングポールは足をねん挫した時とかのサポートにもなるので、基本、どんな山でも持って行った方がいいです。

最初はケーブルカー利用で登ってみて、大丈夫そうなら次回はケーブルカーを使わず、男坂や女坂を使って下から登っていくルートにチャレンジするのもありです。
なかなかきついですよ~。(特に男坂)
男坂はひたすら急な石の階段が続き、女坂には観光ポイントや大山寺もあります。
ヤマリはよく男坂から登って女坂で下りてきます。
体力がついてきたら、ぜひ下から登ってみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました